その「運用」と「時刻表」
高山濃飛バスセンターでのバス路線乗り継ぎ

興味をひく運用 ○時刻表 ○説明 ○濃飛バスIndex

 

 濃飛バスには、各営業所(車庫)がありますが、やはり飛騨の中心地である高山市を中心とした路線構成になっています。JR高山駅前に隣接して、「濃飛高山バスセンター」があり、高山を走る路線は、ここを中心とし、ほぼ東西南北の4方向に路線をのばしています。もちろん、中には高山バスセンターを通り抜け直通するものもありますが、ほとんどの路線はバスセンターで乗り継ぐことになります。

 今回、平成14年冬ダイヤ上で、「濃飛高山バスセンター乗換時刻表」を作成してみました。時刻表自体は、こちらにありますが、作っていて、いくつか興味を持ったことがありました。それらをご紹介していきたいと思います。

1 同方向同時発車

 前述のとおり、高山バスセンターを中心として4方向に路線が走っているので、「同時発車」自体は珍しくありません。ただ、中には同じ方向へ走る路線同士の同時発車がありました。

@08:00 新宿行き シュトライナー
 08:00 町方行き(土休運休)

 町方までのしかも平日だけの同時発車です。時刻表上では丹生川直前まで続行しているようですが、町方行きは各停ですので、どこかで差がつくはず・・・。


A14:00 名鉄BC行き メイヒライナー
 14:00 白川郷行き

 併走区間は清見インターまでになります。白川郷行きは各停なので、両者はすぐに差がつくはず。時刻表上では、「ななもり清見」で3分の差がついています。

 このほかに夏ダイヤでは、15:00発でメイヒライナー(濃飛便)とノースライナー(北鉄便)が路線の上では荘川ICまで続行する形になっていました。

2 路線同士の乗り換え

 高山バスセンターには、4方向からの路線が集中していることから、それら相互の乗換が可能です。いろいろな乗換パターンがありますが、その中でも、ちょっと興味を引くパターンを時刻の早い順からご紹介します。


@06:30 古川駅前(6:00)発 メイヒライナー
  ↓
 06:30 新宿行き(12:00) シュトライナー(所要6:00)
 07:00 大阪行き(12:16) ウエストライナー(所要5:46)

 メイヒライナーからシュトライナーへは、現実に乗り継ぎが考慮されています。実は、その30分あとに大阪行きの「ウエストライナー」も出ているので、前記の制度を活かして、ウエストライナーにも適用するといいのではないでしょうか。なお、この乗り継ぎパターンでは、神岡からも乗合タクシーが出ているので、これも活用すると、2−Aパターンと同じ形態となります。

A07:53 古川駅前(7:20)発(平日運行・古川で奥飛騨温泉口駅(6:20)発から連絡)
  ↓
 08:00 新宿行き(13:30) シュトライナー(所要6:07,神岡からは7:02)
 08:00 名鉄BC行き(10:50) メイヒライナー(所要3:27,神岡からは4:22)


 神岡から名古屋・東京へバスで行けるパターンです。乗換えが2箇所になるのと、古川・神岡線が平日運行なので、ちょっとつらいかもしれません。神岡から東京に出るなら、富山空港経由が時間的には優位ですし・・・。

B13:20 名鉄BC(9:40)発 メイヒライナー
  ↓
 13:30 古川駅前行き(14:00)(平日運行)(所要4:10)


 パターンはともかく、JR高山線の特急「ひだ」ともろにバッティングしています。こちらも2−A同様古川線が平日運行で、乗り継ぎパターンとしては現実的ではないでしょう。

C13:30 新宿(8:00)発 シュトライナー
  ↓
 14:00 下呂温泉行き(15:00) 特急(所要6:30)
 14:00 白川郷行き(16:00)(所要7:30)
 14:00 神岡行き(15:15)(平日運行)(所要6:45)


 新宿−下呂間は、直通割引きっぷの設定があります。ただ、この逆に下呂から東京に向かうのには適当な便がないのです。そのあたりを考慮すれば、直通きっぷの「存在意義」もあるのでしょうが。現状では、東京から下呂までバスで来て、帰りは高山観光、というパターンになるのでしょうか。
 新宿−白川郷間は、2−Eの逆パターンで、観光客の誘致にはよい時間帯かもしれません。白川郷については、下呂とは逆に東京方面への乗り継ぎにぴったりな2−Eパターンがあるので、観光ルートとしては、東京から高山で1泊して、翌日の朝に白川へ・・というパターンになるのでしょうか。
 新宿−神岡間は、2−Aの逆パターンです。7時間かかるとすると、やはり同様に飛行機に軍配が上がるかも。途中の国府や古川への利用は生めるかもしれません。

D14:25 神岡(13:10)発
  ↓
 14:30 新宿行き(20:00) シュトライナー(所要6:45)


 2−A、2−Cと同様の神岡から東京へ指向するパターンです。他のパターンと違うのは、古川・神岡線が毎日運行であるところです。待ち合わせ時間も短く、何より同じ会社のバスに連絡できるのは強いですね。

E15:30 白川郷(13:40)発 ノースライナー(所要7:20)
 15:30 古川駅前(15:00)発(所要6:00)
  ↓
 15:30 新宿行き(21:00) シュトライナー


 白川や古川から東京を目指すパターンです。白川については2−Cの逆パターン、古川については2−@の逆となります。所要時分や料金で、JRには十分対抗できそうです。こちらも2−D同様同じ会社のバスに連絡するので、多少の時刻調整は可能だろうし、ある程度の融通は利くでしょう。

F16:10 松本(13:50)発 アルプスライナー
  ↓
 16:20 大阪行き(21:42) ウエストライナー(所要7:42)
 16:20 下呂駅前行き(17:45)(平日運行)(所要3:45)


 松本から大阪を目指すパターンです。逆のパターンは、高山で1時間の乗り継ぎまちになります。直行バスよりは割高だし、時間もかかるけれど、迂回ルートの一つにはなります。また、松本から下呂温泉にも行けますが、小坂・下呂線が平日のみの運行で、一般路線車が運用にはいるでしょうから、「観光」という雰囲気には・・・。

G17:20 名鉄BC(14:30)発 メイヒライナー
  ↓
 17:40 神岡行き(18:55)(所要4:05)


 こちらは、2−Aパターンのです。高山発着の高速バスと古川・神岡線との接続は、「待ち時間」はいいがほとんどが平日のみの連絡となるのが残念です。

H18:40 白川郷(16:40)発
  ↓
 19:00 名鉄BC行き(21:50) メイヒライナー(所要4:50)


 高山でJRのひだが出たあとに到着するので、これはかなり有効な乗り継ぎパターンだと思います。時間的には、白川郷観光の客の利用を見込めるかもしれません。

I20:00 新宿(14:30)発 シュトライナー(所要6:20)
 20:20 名鉄BC(17:30)発 メイヒライナー(所要3:20)
  ↓
 20:25 古川駅前行き(20:55)


 2−@のまるっきり逆パターン。東京、名古屋での滞在時間は大きくとれます。なお、冬ダイヤでは、メイヒライナーの古川直通便がこのパターンのすぐ後にあるのであまり有効ではありませんが、夏ダイヤの直通便はこの前に走りますので、夏にはいいパターンかもしれません。

 とりあえず、思いつくままにピックアップしてみました。実際、「こんなパターンがあればいいなー」と思えるものも、なかなかうまく接続していなかったりしています。現実にこのようなパターンを利用している方もいるようですし(2−Eパターンについては、そのような乗客がいた)、もっと大々的に広報するとか、できるだけ乗客が使いやすくなるようにダイヤを組んでいくことも難しいとは思いますが、乗客誘致のためには必要だろうと思います。
 パターン中にもありますが、一般路線は「地元の足」であるので、「観光客誘致のため」と言っても、おいそれとダイヤを変更することは難しいとは思いますが。
 

 

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最終更新日:14/03/29